そんな時期に、新たに代表チームへ召集されるメンバーが発表された。しかしそこに宮野の名前はなかった。さすがにここまで不調が続くと、メンバーから外されるのも致し方なかった。

宮野もそれを理解していた。しかし頭では理解はしていても、そう簡単に割り切れるものではなかった。役目を失ったことによる喪失感のようなものもあった。宮野にとって非常に大きな出来事だった。


客観的に見れば、「代表メンバー」という荷を下ろしてオイスターズに専念することができるのだから、今の宮野にはプラスの効果があると言えよう。川西もそう考え、これをきっかけに宮野が復調してくれることを願っていた。


しかし宮野の心境は違っていた。オイスターズの試合では、打撃不振が続いてチームに迷惑をかけていると感じており、それが負い目となって味方やファンを盛り上げられていないことも自覚していた。


さらに代表メンバーから外されたことで、自分の居場所がどんどんなくなってきているように思えた。ひょっとしたらこのまま引退することになるのだろうか、宮野はそんなことまで考えるようになっていた。


そんな宮野の心の内を、川西は当然知る由もなかった。

(つづく)


スポンサーリンク