監督との話し合いからおよそ半月が経過した。その間の宮野は、試合には出ていたものの相変わらず好不調の波が激しく、まだ調子を取り戻すきっかけをつかめずにいた。

そんな中で迎えたある試合で、宮野は1アウト1、3塁という絶好のチャンスに、内野ゴロでダブルプレーに打ち取られてしまう。しかもその日は4打数でノーヒットと、全くいいところがなかった。宮野はひどく落ち込んだ。


チームメイトも監督も、これまで宮野が引退すると言ったときには必ず引き留めてくれていた。しかも監督とはつい先日話し合ったばかりだ。宮野は誰にも相談できないでいた。


独りで悩んだ末、宮野はある決断をする。それは「もし明日の試合で結果を出せなかったら今シーズン限りで引退する」というものだった。明日の結果が悪ければ、もう一度監督と話し合ってみようと決めたのだった。


明けて試合当日となった。チームメイトや監督はもちろん、スタジアムに来ているオイスターズファンも、そしてちょうどこの日も来場していた川西も全く知らない決断を胸に、宮野は試合に臨んだ。


川西にとっては、宮野が代表メンバーから外されて以降初めての観戦となる。こんなときこそファンとして宮野を支えたいという思いを強く持って、もみじまんじゅうスタジアムへとやってきた。


川西と宮野、それぞれの思いが交錯する試合が始まった。

(つづく)


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