9回表、オイスターズが守備についた。1点のビハインドなら十分に逆転可能だが、追加点を取られればその分厳しくなる。ここはなんとしても0点に抑えたいところだった。宮野も懸命にベンチから声を出す。そしてスタンドからも大声援が送られた。

その声援に応えるようにピッチャーも好投する。集中力を切らさず丁寧なピッチングで凡打の山を築き、この回を三者凡退で切り抜けた。そして残すは9回裏、オイスターズの攻撃のみとなった。


1点を追う展開、チャンスが来れば宮野登場の可能性もあると、川西は期待していた。宮野もまた打席に立つことを願い、どんな場面であっても任されれば絶対に打つと心に誓っていた。


この回は3番から始まる好打順。一発が出ればたちまち同点になると、皆気合が入っていた。しかしその気合も空回りしてしまう。先頭打者は内野フライ、2人目は三振に倒れ、あっけなく2アウトランナーなしとなった。


続いて登場するのはこの日打撃好調の5番打者。代打が送られるような場面ではなかった。このまま宮野の出番はないと思われたが、この打席は思わぬ展開を見せる。


その初球、インコースを厳しく攻めた投球がすっぽ抜け、バッターのユニフォームをかすめた。デッドボールだ。そして2アウトランナー1塁となったこの場面で、ついに「代打宮野」の登場となった。

(つづく)


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