翌日、宮野はいつものように球場へ向かっていた。


昨日の試合が終わってから、宮野はいろいろ考えた。なんとしても勝ちたい打ちたいという思いとそれが叶わなかった悔しさ、ファンからの称賛と今後への期待、それらを改めて感じた宮野にとって、もはや「引退」という選択肢はなくなっていた。

監督とも電話で話をした。わざわざ言わなくてもよかったのだが、この試合に引退を賭けていたことと、それを撤回して現役を続行する意思を伝えた。監督は「バカだな」と笑っていた。そして「明日からも頼むぞ」と言ってくれた。


気持ちを整理しスッキリとした宮野は、試合前の練習中からスタンドのファンに手を振り、また声をていた。さらにチームメイトとも積極的に会話を交わすなど、かつてのムードメーカーっぷりは完全に復活しているようだった。


この日のスターティングメンバーには宮野の名もあった。昨日のプレーと、そして現役続行の意思を示してくれたことで、宮野は復活できると監督は考えていた。起用することが復活への近道だと判断したのだった。


久しぶりの先発出場にファンは沸いた。また宮野自身もスタメン発表を聞き、改めて闘志が沸いてきた。大歓声の中、プレイボールのときが近づく。オイスターズナインが守備位置についた。


宮野の快進撃はここから始まる。

(おわり)


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